問題解決型サービス科学研究開発プログラム 【独立行政法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター】

プログラムについて

センター長あいさつ

木嶋 恭一写真

政府の第4期科学技術基本計画が、2年余りの検討を経て、2011年4月からスタートすることになりました。その大きな特徴は、科学技術政策から科学技術・イノベーション政策への転換です。1995年の科学技術基本法の成立以来、5年毎に決定されてきた基本計画では、情報、バイオ、ナノといった科学技術分野毎の重点化戦略が中心でしたが、今回の第4期計画では、こうした方針を転換し、社会の課題解決に向けて、科学技術の知識とシステムを動員するという大変野心的なものです。

日本は、戦後一貫して、技術的にいいものを作れば市場で売れるとのハード指向、ものづくり志向で経済成長を遂げてきましたが、1990年代からの工業社会から情報社会への急速な転換とグローバリゼーションによって、このモデルは大きな転換を迫られています。筆者の経験でも近年は、design thinking,、system thinking、分野・組織・世代・国境を越えたネットワーク、頭脳の世界的な循環が、グローバルな社会と市場で常に語られる時代になっていると思います。

社会技術研究開発センターは、2010年度から「問題解決型サービス科学研究開発」プログラムをスタートしました。これは、政府の科学技術政策の転換や世界の知識生産と価値の創造から流通プロセスの転換に対応する新しい取り組みといえます。社会の具体的なあるいは潜在的なニーズや課題を予測し洞察し、実データや事例を活用して、分野融合的アプローチで、問題解決のための方法論、技術を開発するものであり、新しい学問分野の開拓にも通じるものと考えます。このプログラムでは、異分野の研究者と関与者の協働によって社会に実践的な価値を生み出すことが大切と考えます。供給側と受容側の双方による“価値の共創:Value Co-creation”は、このプログラムのキーワードです。

イノベーションが世界中の産学官で注目されていますが、その要諦は、要素還元的な分析に加えて、日本が従来ややもすると弱かった、構想力、デザイン、設計、マネジメントに重点が移っていると思います。このプログラムが、この変化を牽引するとともに、関係する人材を育成するものとして大きな役割を果たして行くことを期待します。


独立行政法人科学技術振興機構
社会技術研究開発センター
センター長 有本 建男