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研究開発プロジェクト紹介

高齢者ケアにおける意思決定を支える文化の創成 <カテゴリーⅠ>

清水哲郎

研究代表者:清水 哲郎
東京大学 大学院人文社会系研究科 特任教授

(研究期間:平成24年10月~平成27年9月)  清水プロジェクトホームページ


プロジェクトの目標

① 本人・家族の意思決定プロセスを支援する包括的・継時的プロセスノートの開発

② 最期の生のよいあり方と医療の役割、および社会的ケアについての生活者の意識変革を促進する方途の開発


プロジェクトの概要

 高齢者が住み慣れた地域で、最期まで自分らしく生きることを妨げている要因として、
  ①本人・家族の意思決定プロセスを支援する態勢の不備、
  ②最期の生のよいあり方や医療の役割についての理解の遅れ、
  ③家族の介護負担軽減のための社会的ケア導入に否定的な意識、
を挙げることができます。本プロジェクトはこのような生活者・市民の意識・考え方に取り組み、これらの改善を目指して、次のような研究開発に取り組みます。

本人・家族のための包括的・継時的意思決定プロセスノート
 本研究グループは既に、高齢者が経口摂取ができなくなった時の胃ろうなどの人工的水分・栄養補給法の導入に関して、本人・家族が適切なプロセスをたどって意思決定に至ることができるように支援するツール(意思決定プロセスノート)の開発を進めてきました。これの試用を当該コミュニティをはじめとして、多くの医療・介護現場でしていただき、使い勝手や効果等の評価をした上で、水分・栄養補給の問題に限らず、どこで過ごし、どういうケアを受けるかといった高齢者本人にとって要となる問題を考えるプロセスを支援する、「包括的・継時的な」意思決定プロセスノートの開発をします。

最期の生のよいあり方と医療の役割、および社会的ケアについての生活者の意識変革を促進する方途の開発
 当該コミュニティとその周辺で、上記②、③をめぐる住民への聞き取り調査等を通して、意識の実態を探ります。その結果の分析を通して、②、③の要因となる人々の誤った認識および不適切と思われる価値観を抽出します。
 次にこの結果を受けて、認識の修正のための方途、また価値観を省みるよう働きかける方途の開発を行います。
 研究グループは、東京大学死生学・応用倫理センター内のグループと、研究開発の場となるコミュニティである富山県砺波市のナラティブホームのグループから成っており、研究者とケアの実践者との協働を通して、理論的に批判に耐え、かつ現場での実用に耐え得る成果を挙げることが見込まれます。


研究開発への関与者

東京大学
医療法人社団ナラティブホーム
青梅慶友病院
国立長寿医療研究センター
全国コミュニティライフサポートセンター(CLC)
砺波市
老人看護専門看護師グループ


コミュニティ紹介~富山県砺波市~

 医療法人社団ナラティブホームは、チューリップで富山県砺波市のJR砺波駅に近い「ちゅーりっぷの郷」1F に、「ものがたり診療所」をはじめとして、「居宅介護支援センター」、「訪問看護ステーション」、「ホームヘルパーステーション」を置き、周辺地域において、医療・介護を総合したケアを提供しています(2010年4月発足)。加えて、ユニークな試みとして、これらの施設に隣接した賃貸集合住宅(16戸;経営は別)を、在宅ケアが困難な方たちが家庭のように過ごせる場所「ものがたりの郷」として、そこに入居された方に在宅ベースのケアを提供しています。法人理事長・診療所長佐藤伸彦氏は、砺波市で高齢者を中心とした医療に長らく携わる中で、人を医学的にみることは医療として大事なことだが、もっと大事なのは個々人の人生のかけがいのない「物語り」であり、それを中心にして医療を組み立てて行くことを目指して、ナラティブホームを始めました。ここをコミュニティとして、その活動が住民意識に働きかける様子とその効果に注目しつつ、本研究開発を進めたいと考えています。


ちゅーりっぷの郷

ちゅーりっぷの郷

ものがたりの郷

ものがたりの郷

在宅ケア

在宅ケア

イベント情報

未定


報道情報


プロジェクトのこれまでの動き

第2回領域シンポジウム 発表資料(PDF:1,638KB)


現場通信


研究開発実施報告書

平成24年度研究開発実施報告書 (PDF:224KB)


関連リンク

臨床倫理プロジェクト
東京大学 上廣死生学・応用倫理講座
ナラティブホーム



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