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研究開発プログラム


物流と市民生活の安全に貢献するトレーラートラック横転限界速度予測システムの社会実装

公道を使った45ft(フィート)国際海上コンテナ輸送実験に、「トレーラトラック横転限界速度予測システム」が採用されました。
45フィートコンテナを積んだトレーラトラックの走行安全性を公道で実験・確認~「物流と市民生活の安全に貢献するトレーラトラック横転限界速度予測システムの社会実装」~
活動の紹介

 「物流と市民生活の安全に貢献するトレーラトラック横転限界速度予測システムの社会実装」は、東京海洋大学 海洋工学部 教授の渡邉 豊先生を代表者とする実装活動です。
 海上輸送に使われるコンテナは、現在40ft(約12メートル)のものが主流です。とても長く重い上に、コンテナ内の荷物が偏って積まれていると、法定速度内で走行し、ドライバーに過失がなくても横転事故が起こる危険があります。
 渡邉先生は、横転事故多発化の原因を探り、その防止技術をRISTEXの「社会システム/社会技術論」研究領域で開発、得られた研究成果をRISTEXの「研究開発成果実装支援プログラム」で社会実装しています。

渡邉 豊先生
渡邉 豊先生
(東京海洋大学 海洋工学部 教授)
東北国際物流戦略チーム「45ft国際海上コンテナ輸送実験」視察会

 日本で公道を走行できる国際海上コンテナは法令上40ftまでですが、近年、5ft(約1.5メートル)長い45ftコンテナが登場し、北米~中国などの航路で用いられるようになっています。
 40ftコンテナより約27%も容積率が大きい上に、輸送にかかるコストはあまり変わらないため、今後利用は拡大し国際物流の主流になると予想されます。
 今回の「45ft国際海上コンテナ輸送実験」は、東北地方における45ftコンテナの輸送の実用化を目指し、東北国際物流戦略チーム(座長:稲村肇 東北大学大学院教授/事務局:東北経済連合会・東北地方整備局・東北運輸局)が実施。平成22年10月16日から20日までの5日間、45ft国際海上コンテナに荷物を積んだトレーラトラックを公道上で初めて走行させ、通行の安全性や輸送の効率性などについて検証しました。
 トレーラトラックには渡邉先生の「横転限界速度予測システム」が採用され、安全走行に大きな役割を果たしました。

「トレーラトラック横転限界速度予測システム」ジャイロ
「トレーラトラック横転限界速度予測システム」ジャイロ。
改良により、どんどん小さくなっています。

40ftコンテナ(上)と45ftコンテナ(下)
40ftコンテナ(上)と45ftコンテナ(下)。
45ftコンテナは両端が約75cmずつ長く、容積率は約27%大きい。

コンテナの積み下ろし

 今回の実験では、45ft国際海上コンテナを搭載したトレーラトラックが、仙台塩釜港高砂コンテナターミナルと、宮城県岩沼市の東洋ゴム工業仙台工場の約30kmの公道を1日2往復、5日間で計10回走行しました。
 トレーラトラックの台車(シャーシ)は40ftコンテナのものを使うことができないため、今回の実験のためにオランダのメーカーから購入したそうです。
 まず、東洋ゴム工業仙台工場からタイヤを満載して戻ってきたコンテナを釣り上げ金具でトラックから外します。40ftコンテナの設備をそのまま用いて問題なく行うことができていました。

トレーラトラックからコンテナを外して持ちあげる。
トレーラトラックからコンテナを外して持ちあげる。

一般道・高速道路を通って東洋ゴム工業仙台工場へ

 その後、別の45ftのコンテナを搭載して、トラックは仙台塩釜港高砂コンテナターミナルを出発、再び東洋ゴム工業仙台工場に向かいます。往路は積み荷を搭載していない状態で一般道・高速道路を走行します。トレーラトラックの前後には併走車両がついています。途中、90度の左折がありましたが、スムーズでした。

90度の左折も問題なくスムーズ 積み荷が空の状態で一般道走行中
(右)積み荷が空の状態で一般道走行中
(左)90度の左折も問題なくスムーズ

 渡邉先生は今回の実験の前に、同様の条件で40ftコンテナでも実験を行っています。45ftコンテナと40ftコンテナでは、安全運転のための速度の差は2~3kmだそうです。

東洋ゴム工業仙台工場でタイヤを積載

 東洋ゴム工業仙台工場に到着すると、45ftコンテナにタイヤを詰める作業が始まりました。コンテナ直前までコンベアで搬送されたタイヤを、作業者が平済みに天井まで手作業で詰めていきます。タイヤの充填量は11トンと比較的軽く、重心位置も真ん中で偏りがないため、コンテナ荷物としては理想的です。東洋ゴム工業仙台工場で生産しているタイヤは一日4万1千本ですが、その約8割が海外に輸出されています。45ftコンテナは関東など交通条件の厳しい地域では実現が難しいため、東北地方で実用化が認められれば、多くの企業が東北の港に輸送拠点を移すことも考えられ、競争力が高まります。

積載の様子。 積載の様子。
積載の様子。

積み荷満載の状態で、一般道を通って仙台塩釜港高砂コンテナターミナルへ

 タイヤを満載したトラックは、東洋ゴム工業を出発、実際に輸送時に利用しているルート(一般道のみ)を通って仙台塩釜港高砂コンテナターミナルに向かいます。右折、左折や一般道特有のゆるいカーブ、橋(重量制限が厳しい)通過等、公道上を走行する上で検討が必要とされたいくつかのポイントについて、状況を詳細に確認、検証しました。
 2車線の鋭角な右折では渡邉先生の「トレーラトラック横転限界速度予測システム」により、右折前に時速28kmまで減速すれば安全というデータも報告されました。
 トレーラトラックの横転限界速度を予測することにより、悲惨な事故を予防し、物流の未来を拓く――渡邉先生の実装活動は続きます。

■関連リンク
東北国際物流戦略チーム(http://www.pa.thr.mlit.go.jp/kakyoin/better/better005.html)
東京海洋大学 海洋工学部(http://www.e.kaiyodai.ac.jp/)

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