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研究開発プログラム


震災後の建物被害調査と再建支援を統合したシステムの自治体への実装

新潟県・小千谷市で、自治体の防災担当者を対象にした研修会が開催されました。
過去の震災の経験を活かし、被災者の生活再建支援のための研究成果を多くの自治体に伝える~「震災後の建物被害調査と再建支援を統合したシステムの自治体への実装」~
活動の紹介

 「震災後の建物被害調査と再建支援を統合したシステムの自治体への実装」は、富士常葉大学 大学院環境防災研究科 教授の田中 聡先生を代表者とする実装活動です。
 田中先生は、2004年の新潟県中越地震発生時、小千谷市で自治体と協力して被災した住宅の被害認定調査を行い、生活再建のための罹災証明発行を支援しました。
 小千谷市で得られた経験・ノウハウを基に、災害時に自治体が実施する建物被害調査から罹災証明書発行へ至る一連の対応業務を支援する業務パッケージとして開発(国土交通省建設技術研究開発助成制度)、得られた研究成果をRISTEXの「研究開発成果実装支援プログラム」で社会実装しています。

田中 聡先生
田中 聡先生
(富士常葉大学 大学院環境防災研究科 教授)
中越大震災ネットワークおぢや「住家の被害認定調査実地研修会」

 震災から一年後の2006年10月、中越地震で経験した災害対応の知恵や教訓を蓄積、共有し、関係者のネットワーク化を図ることを目的として「中越大震災ネットワークおぢや」が設立されました。毎年、自治体の防災担当者を対象に研修会を実施、2007年に発生した能登半島地震、新潟県中越沖地震で支援を行うなど、積極的な活動を行っています。
 震災から満6年を迎えた2010年10月、「中越大震災ネットワークおぢや」主催の「住家の被害認定調査実地研修会」が小千谷市で開催されました<後援:RISTEX>。
 小千谷市には被災した当時の状況をそのまま残す民家が一軒保存されています。今回の研修会では被害認定調査のやり方を学習した後、実地研修を行い、結果を検討するというスケジュールで行われました。
 25の自治体から64名の防災関係の職員が参加し、会場は熱気にあふれました。

二日間に分けて開催された研修会
二日間に分けて開催された研修会。
自治体の参加者は全員作業服で参加。

内閣府の福井 武夫氏
「災害に係る住家の被害認定について」説明を行う
内閣府の福井 武夫氏(災害復旧・復興担当参事官補佐)

 まず、小千谷市の市民学習センター「楽集館」で、内閣府・福井氏と田中先生から住宅の被害認定調査の方法についての説明が行われました。
 その後、バスに乗って実地研修会場へ。民家は山間部の小千谷市荷頃町にあります。被災後、半数以上の世帯が移転をしたそうです。

被災当時の様子をそのままに残す民家。
被災当時の様子をそのままに残す民家。

 台風が近づいていた日で、現場に到着したときには冷たい雨が降りだしました。が、まずは民家の外周の調査です。

「下げ振り」という工具で建物の傾きを計測。
「下げ振り」という工具で建物の傾きを計測。

建物外周から観察された被害
建物外周から観察された被害

 次はいよいよ内部の調査です。外観はそれほど地震の爪痕が感じられないのですが、室内は結構被害が大きかったことがわかります。住んでいた方は震災後すぐ転居されたそうですが、住み続けるために修理を行うとしたら相当な部分に手を入れなければならず、修繕費用もかなりな金額になるように感じました。

風呂場
風呂場。壁はもともとコンクリート打ち放しだが、
縦横に大きな亀裂が入っている。
1Fの仏間
1Fの仏間。左側の石膏ボードが剥がれ、
畳に割れた壁材が散らばる。
1Fの居室
1Fの居室。階段横の壁材は跡形もない
熱心に調査をする研修参加者
熱心に調査をする研修参加者(自治体職員)。

 実地研修の後はまた研修会場に戻り、調査結果から罹災判定を行いました。被害の程度を数値化し、総合点から判定するのですが、なかなか難しく、みなさん悩みながら作業していました。

現場の様子を振り返り、熱心に討議しながら判定。
現場の様子を振り返り、熱心に討議しながら判定。

 その後グループごとに結果を発表、田中先生が解説を行いました。平面図の記載方法や被害の算定方法はまちまちで、「難しかった」という声も聞こえましたが、罹災判定はほとんどのグループで同様の結果となりました。
 震災時、慣れない職員が簡単な研修を受けるだけで被害認定調査を行う場面が想定されます。そうした時にも「平等」な判定が導き出されることはとても大切です。スムーズに罹災証明を発行し、被災者への生活再建支援を迅速に行うことを目指し、田中先生の実装活動は続きます。

■関連リンク
中越大震災ネットワークおぢや(http://www.net-ojiya.jp/)
富士常葉大学大学院 環境防災研究科(http://www.fuji-tokoha-u.ac.jp/graduate_school/index.php)

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