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採択プロジェクト

平成23年度課題 東日本大震災対応・緊急研究開発成果実装支援プログラム

津波塩害農地復興のための菜の花プロジェクト

実装責任者 東北大学 大学院農学研究科 教授 中井 裕

概要

 東日本大震災による津波は、宮城県だけでも水田1万haに被害を与えた。我々は、奥山仙台市長の要請で、仙台市若林区の水田の被災状況調査を実施した。松林がなぎ倒され、泥に覆われた田畑を目にして、この荒地を一日も早く緑豊かな美しい土地に戻すことが、亡くなった人々への鎮魂であり、生き残った人々の希望のシンボルとなると強く思った。
 田畑の復旧は、廃材や車両の撤去および汚泥の除去、ついで、一般的には土壌洗浄等による塩分の除去または客土が行われる。汚泥の除去や土壌洗浄・客土は、膨大な時間と費用が必要な土木工事であり、多額の復旧費が必要と考えられている。これらの工事は雇用の創出に繋がるが、農家が自らのプライドと将来への希望をもって日々暮らすためには、被災農家が農業を継続しながら自らの農地を復旧させるオプションも用意することが好ましい。
 宮城県津波被災水田において予備調査を実施したが、その結果、農地に砂や海底由来の泥土が堆積した地帯では堆積物除去が必要であること、また海水のみ浸水した地帯であっても用水確保が困難な地域では灌水除塩できず今年は通常の作物は作付けできないが、1年間の降雨による除塩によって復旧可能な農地もあることを見いだしている。また、海岸からの距離、地形など、耕作地ごとに、被害状況は大きく異なることを観察している。
 そこで、塩害に強いアブラナ科作物を用いて、それぞれの農地の被災状況に合わせた復旧を行うことを考えた。
 実装活動の最終目標として、1)アブラナ科作物の安定的生産方法および被災地の土壌改良を目的とした栽培体系の確立、2)ナタネ油の販売方法の確立、3)ナタネ油からのバイオディーゼル燃料生産等のエネルギーの地産地消システムの構築を目指した活動を考えている。この活動は5-10年スパンで実施するものであるが、早い時期の本格的活動開始が何よりも重要であるため、JSTに支援を受けて、速やかな現場実装試験を展開したい。
 この11ヶ月の支援期間中の目的は、1)土壌の様々な塩分濃度に適したアブラナ科作物品種の選抜、2)津波を受けた地域の塩害状況に適応したアブラナ科作物品種の作付け、3)塩害土壌に最適な品種の種子生産、4)農業復興とエコエネルギーを象徴する景観形成である。

活動地域:宮城県

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