「科学的アプローチを活用した教育・学習・人材育成」に関する研究開発領域について

社会技術研究開発センター(以下、センター)では、環境、安全安心、医療、教育分野などにおける社会の具体的な問題の解決に貢献するための研究開発を支援するプログラム(研究開発領域)を設定し、公募による研究費の助成を行っています。そのため、研究者と社会問題の関与者(ステークホルダー)とが協働すること、研究開発の一環として現場における社会実証など実践的な取り組みを行なうこと、自然科学と人文・社会科学の両方を含んだ分野横断的な研究開発アプローチをとることなどを特徴としています。
現在、センターでは平成21年度発足を目指して、「科学的アプローチを活用した教育・学習・人材育成」に関する新しい手法や方法論などを開発するための、新しい研究開発領域の設定を検討しています。この検討にあたり、現在、センターが持つ下記の問題意識に関連した研究や現場での取り組みを行なわれている、研究者、技術者、教育関係者、行政、産業界、マスコミ、NPO、市民など、さまざまなステークホルダーからご意見・ご提案を頂き、これまでにない、ユニークな視点の研究開発領域を作りたいと考えています。
その一環として、「科学的アプローチを活用した教育・学習・人材育成」に関する新しい研究開発領域についてのご意見・ご提案を広く一般から募集します。現在、センターが持つ問題意識は下記のとおりですが、このような基本的考え方に基づく、より具体的な考えやアイデアなどを求めます。本当に社会が必要とする研究開発を進めるために、ぜひ、ご応募ください。
なお、頂いたご意見・ご提案についてさらに詳しくお伺いするために、インタビューを行う場合があります。その際はセンターよりご連絡しますので、ご協力ください。

1.現在のセンター案について

センターでは、これまで部内で検討した議論の結果をもとに、「科学的アプローチを活用した教育・学習・人材育成」をキーワードとして、さらに検討を深めていこうと考えています。問題意識を含む現在のセンター案は、以下のとおりです。

現代の子どもを取り巻く社会環境は劇的に変化しています。
情報通信技術(ICT)の社会インフラ化をはじめ、科学技術は高度に発展し、生活に深く浸透しています。また、核家族化や少子高齢化、産業構造の変化、都市と地域の経済的格差の拡大、グローバル化、さらには地球温暖化など地球規模の課題も顕在化してきています。これらのような変化が顕著に起こっている社会は、しばしば高度情報化社会や知識基盤社会、国際化社会などの言葉で表されます。このような状況下において、一人ひとりがより良く生きるための力を育み、例えば、今後も科学技術が高度に発展していく中で社会的・経済的価値を生み出すイノベーション創出や国内の社会的な課題・地球規模の諸課題への対応、さらに異文化と共生していくことのできる人材を育成していくことは、日本にとって極めて重要であると考えられます。 一方、社会環境の変化に伴い、教育・学習の現場において、さまざまな問題が顕在化してきています。例えば、コミュニケーションや多様な体験の不足などにより、対人関係能力の低下や精神的ストレスの増加、意欲や向上心の低下といった心の側面の問題が挙げられます。また、子どもの心身ともに健康に発達・成長していくためのライフスタイルが崩れつつあり、それが基礎運動能力の低下、生活習慣病リスクの増加といった身体の側面における問題を招いています。これらのような問題に対しても、解決に取り組むことが重要です。
以上のような問題意識に基づき、現在、特に小・中・高校の年代を中心とする、教育・学習・人材育成の現場における課題・問題の一例として、センターでは以下のキーワードを挙げています。

これらのような問題・課題に対し、最新の科学技術や学問的知見を活用した実践的研究開発の例として、次のようなものが考えられます。

  • ICT技術などの科学技術を効果的に活用した指導方法、学習環境、人材育成方法の研究開発(理数、技術、情報、英語、特別支援など)
  • 科学技術における急速な知の集積に対応し、広範囲で階層的な知的パラダイムに基づく、統一的であるが多様な新しい理数/技術教育・学習法、人材育成方法の研究開発
  • 情報伝達の手段など科学技術の発達が子どもの心身に与える影響の評価と指導への活用方法の研究開発
  • 最新の教育学などを活用した効果的、効率的な児童生徒指導方法、育成を意識した評価方法(選別的な偏差値に替わる評価方法)の研究開発
  • 最新の認知科学、児童心理、児童精神発達学的知見も活用し、問題解決能力、対人関係能力、学習意欲などの向上のための方策の研究開発
  • 最新の言語学、脳科学の知見を活用し、国際化への対応に向けた効果的英語教育・学習方法の開発
  • 最新の健康学、運動生理学的知見を活用した体力向上プログラムの研究開発

研究開発領域では、家庭・学校・地域社会・行政・産業・大学などの関与者が協働し、具体的な問題・課題の解決に向けて、科学的アプローチを活用した研究開発(現場での実践を含む)を行なうことを想定しています(個別課題の研究開発期間は約3年をイメージ)。なお、ここで用いている「科学的アプローチ」とは、従前の方法論や現場での経験に加え、最新の自然科学や人文・社会科学の知見や手法を統合的に活用することをイメージしている。例えば、教育・学習の現場における問題意識やニーズをもとに、情報学、教育学、教育工学、統計学、心理学、認知科学、生活科学、社会学、言語学、児童発達学、社会医学、脳科学、運動生理学など、さまざまな分野において培われた新しい知見や成果を役立たせることを目的としています。
なお、以上のセンター案は一例であり、今後の検討によって大幅に内容が変わる可能性があります。従って、ご意見・ご提案は、必ずしも上記センター案のみを念頭に置くものではなく、「科学的アプローチを活用した教育・学習・人材育成」という視点から、最新の科学技術、学問的知見を活用し、科学技術における急速な知の集積に対応した、新しい教育・学習法、人材育成方法などをはじめ、科学技術の発達が子どもに与える影響の評価、学習意欲向上方策など、新しい研究開発領域で取り上げるべき事項について、広く具体的な考え方やアイデアを求めます。

2.応募の要領について

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